感情が伝わらない夫、それはASDの特性かも

石巻市で夫婦カウンセリングをしております、となりのカウンセリング石巻の佐々木里栄です。

夫との日常の中で、「なんでこんなに気持ちが伝わらないんだろう」と感じる瞬間はありませんか?

こちらが悲しんでいても気づかれない。
何を考えているのかが分からない。
怒っているのに、冗談のように受け流されてしまう——。

その“すれ違い”が重なるうちに、❝夫婦なのに、ひとりぼっち❞という思いが強まっていくことがあります。

実はその背景に、ASD(自閉スペクトラム症)の特性が関係していることがあります。
ここでは、感情が伝わらない夫に“孤独”を感じる背景と、少し心が楽になるためのヒントをお伝えします。

「気持ちが伝わらない」のは、夫の“冷たさ”ではないかもしれません

「私の気持ちなんて興味がないんだ」と感じることがあっても、ASDの特性を持つ方の中には、他者の感情を読み取ることが苦手な人が少なくありません。

たとえば、表情や声のトーン、間接的な言い回しから“気持ち”をくみ取ることが難しいという特性があります。
そのため、こちらが気を遣って「大丈夫だよ」と笑顔で言ってしまうと、夫はその言葉をそのまま受け取ってしまい、「本当に大丈夫なんだ」と思ってしまうのです。

けれど、それは❝気持ちに無関心❞なのではなく、“察する”ということが難しいだけかもしれません。

話がかみ合わない・返事が表面的…その理由は?

ASDの傾向がある夫は、相手の感情に共感する言葉よりも、事実や理屈に基づいた反応を優先することが多いです。

たとえば妻が「今日、仕事で失敗して落ち込んだ」と言ったとき、「何をどう失敗したの?」「次はこうしたらいいんじゃない?」と論理的な返答をしてしまうことがあります。

すると、感情に寄り添ってほしかった妻は「話しても意味がない」「この人に共感は期待できない」と、ますます❝孤独❞を感じることになります。でも夫にとっては、それが❝励まし❞であり、❝解決のための親切心❞であることもあるのです。

孤独を深める前に、「違い」に気づくこと

ASDの特性は、本人にとって“当たり前”であるため、自分の反応が相手を傷つけていると気づいていないことがあります。

ここで大切なのは、
❝夫はわざと感情を無視しているわけではない❞
という前提に立ち、夫婦の間にある“感じ方や捉え方の違い”に気づいていくことです。

たとえば、

・「私は共感の言葉をかけてもらえると安心する」
・「話を遮らずに最後まで聞いてくれるだけでうれしい」

といった自分のニーズを少しずつ伝えていくことで、夫が“感情に寄り添う”という体験を少しずつ学んでいくこともあります。

「分かってもらえないつらさ」を、ひとりで抱えないで

ASDの夫との関係において、妻が感じる“孤独”は、周囲からはなかなか理解されにくいものです。
だからこそ、自分自身のつらさにフタをせず、❝分かってもらえない苦しみ❞を誰かに話すことは、とても大切です。

となりのカウンセリング石巻では、ASDの傾向をもつパートナーとの関係に悩む方からのご相談も多くいただいています。
「誰にも言えなかった」「自分が悪いのかと思っていた」とお話しくださる方も少なくありません。

ご自身が感じていることには、ちゃんと意味があります。
どうか、ひとりで抱え込まずに、お話しにいらしてください。

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