郡山のカウンセリング|怒りが教えてくれる「心のサイン」Vol.2

郡山でカウンセリングをしております、となりのカウンセリング郡山の井丸です。

怒りが教えてくれる「心のサイン」Vol.2

怒りは、心を必死で守るための戦略だった

今日もこの場所に来てくださって、ありがとうございます。

前編では、怒りが悲しみや寂しさを隠す 「二次感情」 であることをお伝えしました。
Vol.2 の今回は、この「怒りという習慣」がどのようにして心に根付いていったのか、その背景に触れていきたいと思います。


■ 怒りの習慣は、幼い頃に身についた「感情の鎧」

私たちが怒りという鎧を身につけるようになったのは、もしかしたら 幼い頃の環境 が影響しているのかもしれません。

たとえば――

  • 親や周囲の顔色を伺って、自分の本当の気持ちを出せなかった

  • 悲しさや弱さを見せても、安心して受け止めてもらえなかった

  • 「泣かないで」「強くなりなさい」など、感情を抑えることを求められた

そんな経験を重ねると、心は次第にこう学びます。
「本当の気持ちを見せては危険なんだ」 と。

その結果、本当は悲しみや不安、虚しさを感じていても、
それを隠すために 怒りという感情で自分を守る回路 がつくられていきます。


■ それは“未熟さ”ではなく、当時の自分が選んだ最善の生き残り戦略

この心の回路は、決して未熟さから生まれたわけではありません。
あなたの心が、当時の環境の中で 必死に生き抜くために選んだ、最善の戦略 だったのです。

怒りという鎧を身につけたのは、弱さではなく 生きるための力強い証拠
過去のあなたが、状況に合わせて精一杯頑張ったからこそ、今のあなたがここにいます。

だからこそ、怒りを手放していくための第一歩は――
そのときの自分が必死に頑張ってくれたことを、そっと認め、労ってあげること。

これは決して簡単ではありませんが、癒しのドアが開き始めるとても大切なプロセスです。


■ 気づいてあげるだけで、感情は落ち着いていく

怒りの下にある一次感情(悲しみ・不安・寂しさなど)に気づけたとき、
次はその感情を 優しく受け止めてあげる番 です。

もし感情に意志があるとしたら、
「ねえ、ここにいるよ。気づいてほしいんだよ」
そんなサインを必死に送っていたのかもしれません。

そしてあなたがその存在に気づいてあげた瞬間、
その感情はもう大きな声でサインを出し続ける必要がなくなり、
少しずつ静かになっていきます。

怒りと向き合うことは、決して戦うことではなく、
自分の心にやっと気づいてあげるという優しい営みなのです。


■ 次回予告

次回は、一次感情に気づきながら、怒りと上手に付き合っていくための
小さなステップ をお伝えします。

今日も、あなたの心の中に静かな安心がひとつ見つかりますように。

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