石巻市で夫婦カウンセリングをしております、となりのカウンセリング石巻の佐々木里栄です。
結婚生活の中で、「どうしてわかってくれないの?」「何度言っても伝わらない…」というもどかしさを感じながらも、ASDの夫を責めたくないと葛藤する妻は少なくありません。
ASD(自閉スペクトラム症)の特性には、相手の気持ちや意図を察することが難しい、予測のつかない変化にストレスを感じやすいといった傾向があります。そのため、日常の些細なやりとりであっても、すれ違いが生じやすくなることがあります。
たとえば、こちらが「疲れてるんだ」と言ったときに、「じゃあ寝れば?」と返されると、「労ってほしかったのに」と感じてしまうかもしれません。これは、❝相手の背景にある気持ちを汲み取る❞ことが苦手な特性によるものです。
夫に悪気はない。けれど、❝気持ちに寄り添ってもらえないつらさ❞は積み重なると大きな負担になります。そして「こんなことでイライラしてしまう自分は心が狭いのかもしれない」と、今度は自分を責めてしまうこともあるでしょう。
けれど、そのつらさは“わがまま”ではありません。思いやりのある関係を築きたいという、ごく自然な願いなのです。相手を責めたくない気持ちは、あなたの優しさのあらわれでもあります。
ASDの特性は、「努力すれば治るもの」ではなく、脳の働き方に由来するものです。だからこそ、「わかってほしい」と願う気持ちと、「でも伝わらない現実」とのあいだで、心がすり減ってしまうことがあります。
そんなときは、夫を変えようと頑張るよりも、まず❝自分の心を守る工夫❞が必要になります。
たとえば、「共感を求める話は、信頼できる友人や専門家に話す」「夫には、してほしい行動を具体的に伝える」といった工夫が、関係を少しずつ穏やかにする助けになります。
また、ASDの特性を“夫の性格”として捉えるのではなく、“特性として理解する”ことで、❝衝突を減らし、自分自身を責めずに済む距離の取り方❞が見えてくることもあります。
相手を責めないためには、自分を責めすぎないことも大切です。思いやりを持ち続けるには、まず自分自身が穏やかでいられる状態が必要です。
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