カウンセリング事例 | 子どもに毒親と言われた(母 51歳 娘 30歳)

私は51歳の母親で、30歳になる娘がいます。娘は仕事を辞めて実家に戻ってきた後、メンタルクリニックに通院し始めました。ある日、娘から「お母さんは毒親だ」と言われ、私を拒絶するようになりました。最初は、その言葉を聞きかじっただけで言っているのだと無視していました。しかし、次第に「私の育て方が原因で娘が精神的に病んでしまったのかもしれない」と強い後悔と無気力感に苛まれるようになり、娘と接するのが怖くなりました。

娘との関係を改善したいと思い、私は娘には内緒でカウンセリングを受けることにしました。カウンセリングの初日、カウンセラーは非常に親身になって話を聞いてくれました。私は娘との関係や、自分の育て方に対する後悔について率直に話しました。カウンセラーは私の話を否定せず、理解と共感を示しながら進めてくれたので、心の重荷が少しずつ軽くなるのを感じました。

カウンセリングを通じて、私は自分の感情と向き合い、娘との関わり方を見直すことができました。まず、カウンセラーは「自己受容」の重要性を教えてくれました。自己受容とは、自分の過去や現在の感情を否定せずに受け入れることです。これにより、私は自分を責めることなく、過去の出来事を冷静に見つめ直すことができました。

カウンセラーとの対話を通じて学んだもう一つの重要なポイントは、「娘の態度をありのまま受け取らないこと」です。これは、娘の言葉や行動に過度に反応するのではなく、彼女の感情の裏にある背景や理由を理解することです。娘が「毒親」と言った背景には、彼女自身の苦しみや葛藤があることを理解しました。この理解により、私は娘の言葉に対して冷静に対応できるようになりました。

また、カウンセリングを通じて「共感」の重要性も学びました。共感とは、相手の感情に寄り添い、その感情を理解しようとする姿勢です。私は娘の気持ちに寄り添い、彼女の苦しみを理解しようと努めました。これにより、娘とのコミュニケーションが少しずつ改善され、彼女が私に対して心を開くようになりました。

具体的な行動として、私は娘に対して「一緒に回復しようね」と伝えました。この言葉には、娘を責めるのではなく、彼女と共に問題に向き合い、解決していく意志が込められています。娘は最初は戸惑っていましたが、次第に私の真剣な気持ちを理解し、少しずつ心を開いてくれるようになりました。

さらに、私は娘との時間を大切にするようになりました。以前は忙しさに追われて娘とのコミュニケーションが疎かになっていましたが、カウンセリングを通じて家族との時間の大切さを再認識しました。娘との会話や共有する時間を増やすことで、お互いの理解が深まり、信頼関係が再構築されていきました。

カウンセリングを受けたことで、私は自分自身を見つめ直し、娘との関係を改善するための具体的な方法を学ぶことができました。プロのサポートを受けることで、過去の後悔や無力感に囚われることなく、前向きに問題に取り組むことができました。

もし、同じように子どもから「毒親」と言われ、悩んでいる方がいるならば、カウンセリングを受けることを強くお勧めします。プロの助けを借りることで、自分自身を理解し、親子関係を改善するための具体的な方法を見つけることができます。カウンセリングは、自分自身を癒し、家族との健全な関係を築くための大きな助けとなるでしょう。